セッピコテンナンショウ(サトイモ科)の再検討
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概要
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セッピコテンナンショウは,わずか4個体の標本に基づき,雌雄株の区別がされないまま記載されていた。最近,新たにみつかった集団から,多数の個体で形質の測定が可能になったので,本種の再検討を行った。これまでの記載と異なり,葉が2個ある個体がはじめてみつかった。雄株では,雌株に比べて偽茎や花梗の長さがかなり短かく,小葉数が5枚になる個体もみられた。仏炎苞,附属体及び葯の色には黄緑〜濃紫〜黒紫色と大きな変異があり,それらの様々な組み合わせの個体がみられた。これまで近縁と考えられてきたホロテンナンショウとは,染色体数や胚珠数の違いのほか,形態上でも大きな違いがみられ,両種は近縁ではないことが示唆された。
- 日本植物分類学会の論文
- 2000-02-28
著者
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