ピーク検出に基づいた最適なヒストグラム分割法とその閾値選択への応用(<論文特集>画像処理-アルゴリズムとシステム-)

概要

論文の詳細を見る
本論文では, 統計学的な仮説検定の考え方に基づき, 従来のピーク検出方法による結果の正当性を検定する方法を提案する.今まで提案されてきたピーク検出方法にあるパラメータによって検出結果が異なるなどの問題点を, 本手法により克服することができる.Fisher distanceの2乗を検定関数として, この関数の混合分布における最大値点の位置的な特徴に基づいて検定基準を定める.検出した隣り合うピークを独立した2つの分布として取扱うべきかどうかを検定する.検定処理を統合できるピークがなくなるまで繰返すことによって, ピークが最適数に収束する.本文では, 幾つかの画像濃淡ヒストグラムに適用した実験結果を用いて, 提案する方法の有効性を示した.また, 得られたピークを用いて, あらかじめレベル数を指定せずに多値化する場合の最適レベル数, および閾値を求める方法について述べる.判別分析法に基づく推定方法との比較検討を行ってみた結果, 分布の偏ったヒストグラムの場合, 本手法はもっとも有効である.
社団法人映像情報メディア学会の論文
1991-10-20