地中レーダ画像の深度領域スペクトル形状を用いた伝搬速度の推定

概要

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地中探査レーダは地下埋設物の存在を地表において知ることができ、道路下の埋設管の調査などに用いられている。埋設管の正確な位置を求めるための手法としてブロック化マイグレーション法があり、双曲線状の反射像を点状化するが、この処理には地中の電波の平均伝搬速度か必要である。地中の比誘電率は一様ではなく主に深度方向に変化し、それにともない電波の伝搬速度も変化する。正確な伝搬速度は、候補となる複数の伝搬速度についてマイグレーション処理を行ない、反射像の点状化のレベル判定から決定することもできる。しかし、候補となる伝搬速度の数だけマイグレーション処理をしなければならず、時間がかかってしまうという問題点があった。今回提案する方法は、地中レーダ画像の、ある深度方向の範囲におけるスペクトル分布の形状を用いて、あらかじめ作成しておいた伝搬速度ごとのテンプレートとの相関を求めることで電波の伝搬速度を推定する。この方法によりマイグレーション処理の回数を減らし、処理の高速化が可能となる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-09-26