分娩直後のカンガルーケアが生後1ヵ月の母乳栄養継続率に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
出生直後のカンガルーケアがその後の母乳栄養継続に及ぼす影響を明らかにすることを目的として本研究を行った。A病院において出産した母子で, 出生直後にカンガルーケアを実施した母子140組を実施群, カンガルーケアを実施しなかった母子85組を非実施群とし, 退院時と1ヵ月時の栄養方法を初産婦・経産婦別に比較したところ, 以下のような結果を得た。1.退院時に母乳栄養を継続できていた母は初産婦では実施群76名(97.4%), 非実施群55名(96.5%), 経産婦では実施群61名(98.4%), 非実施群26名(92.9%)であり両群ともに高率であった。2.1ヵ月時に母乳栄養を継続できていた母は, 経産婦では実施群47名(75.8%), 非実施群21名(75.0%)で有意差はみられなかった。一方, 初産婦では実施群62名(79.5%), 非実施群33名(57.9%)であり, 実施群に多かった(p<0.05)。本研究の対象施設であるA病院は, 調査期間中にBFHI(Baby Friendly Hospital Initiative: 赤ちゃんにやさしい病院)に認定されたため, さまざまなケアの変化による影響は否めないものの, 出生直後のカンガルーケアが, 特に初産婦において, その後の母乳栄養継続に有効であることが示唆された。
- 日本母性衛生学会の論文
著者
-
村上 睦子
日本赤十字社医療センター
-
村上 睦子
日本赤十字看護大学
-
村上 睦子
日本助産学会
-
熊井 秋穂
日本赤十字社助産師学校
-
佐伯 薫
日本赤十字社助産師学校
-
下田 和恵
日本赤十字社助産師学校
-
高橋 美帆
日本赤十字社助産師学校
-
兵庫 千夏
日本赤十字社助産師学校
-
喜多 里巳
日本赤十字社助産師学校
-
野田 蓮子
日本赤十字社助産師学校
-
一瀬 いつ子
日本赤十字社医療センター
-
松井 典子
東京大学大学院医学系研究科家族看護学分野
-
村上 睦子
広島大学 保健科
-
一瀬 いつ子
日本赤十字社医療センター 産科
-
松井 典子
東京大学大学院医学系研究科
-
村上 睦子
日本赤十字社医療センター看護部
関連論文
- アルツハイマー型中期認知症患者へのADLケアに対する抵抗時におけるケアスタッフのかかわりの特性
- 助産の力を伸ばそう! 臨床助産技術 ベーシック&ステップアップテキスト
- 座長のことば(シンポジウム4 産科の病診連携〜オープン・セミオープンシステム〜日本での産科オープンシステムは成り立つのか!)
- 看護学生が看護師となっていく道筋をつくる
- チームのチカラで支える助産師の現任教育
- ハイテクと自然の調和の取れた周産期医療センター
- 分娩直後のカンガルーケアが生後1ヵ月の母乳栄養継続率に及ぼす影響
- 管理者としての臨床現場の風土づくり (特集 助産師とメンタルヘルス)
- "看護技術教育"を高める臨床での工夫
- 看護技術教育 : 実践と基礎教育の接点を探る
- 助産師職能団体としての安全管理を拓く
- 個々の助産師に合わせたガイドラインの活用に期待する (特集 『正常分娩急変時のガイドライン』の検討)
- 出産を通じてみなさまに伝えたいこと
- 看護管理者の立場から 役割拡大とともに負うべき「責任」 (総特集 いま、専門職看護の真価が問われる--「新たな看護のあり方に関する検討会」報告書を読み解く) -- (提言:検討会報告書--私はこう考える)
- 今,新卒者教育が抱える問題とは (特集 新卒者教育--今の問題と対策)
- リーダーたちの新春対談"21世紀へのパラダイム" (特集:21世紀を創造する助産婦)
- 病院助産婦の立場から
- CDP(キャリア・デイベロップメント・プログラム)を中心とした新人教育--自己の実践能力を点検しながら (特集 助産婦の新人教育)
- 予防的対処システムの構築 (特集 リスクマネジメント)
- 報告 : 助産婦のための新生児仮死蘇生法ビデオ製作
- ハイリスク妊産婦・児へのケア提供者の現状と課題 : 一医療施設における調査を通して
- 産後1か月間の母子の心配事と子育て支援のニーズおよび育児環境に関する全国調査 : 「健やか親子21」5年後の初経産別, 職業の有無による比較検討
- P-149 分娩施設の選択理由に関する全国調査 : 平成11年と平成17年との比較(Group47 分娩,ポスターセッション)
- P-144 陣痛室での付添いと立会い分娩に関する全国調査 : 健やか親子21・快適な妊娠出産の5年後(Group47 分娩,ポスターセッション)
- O-113 妊婦健診での医療者の対応と情報提供およびバースプランに関する全国調査 : 平成11年と平成17年との比較(Group21 妊娠VI,一般口演)
- O-092 日本の出産ケアに関する全国調査 : 健やか親子21快適な妊娠出産の5年後(Group17 分娩III,一般口演)
- 助産師が行う分娩時モニタリングケアの特定の試み
- 分娩第1期における助産婦のケア形態と母体・胎児リスクとの関係
- 分娩時の努責が母児の健康に与える影響
- 出生直後の早期接触とタッチケアそして母乳育児 (特集 タッチケア(上))
- (3)妊産婦と医療者との信頼関係をつくり育むケアー(シンポジウム5 リスク社会とマタニティケア,第48回日本母性衛生学会総会)
- 妊娠期・分娩期の助産ケアサービスの現状 : 首都圏と地方都市のデータ分析から
- 緊急帝王切開発生に関連する因子の分析
- 低出生体重児の母乳育児支援 : 助産師による訪問援助の評価
- 日本の助産婦が持つべき実践能力と責任範囲
- 産後早期の母親に対する癒しケアの効果(第一報) : 入院中の母親の疲労に対する効果
- 臨床看護の質の向上を目指した教育と方策
- P-093 医療機関における助産ケアの質評価に関する検討(第3報) : 自己点検のための基準による産褥期のケアの検討(Group45 その他,ポスターセッション)
- P-092 医療機関における助産ケアの質評価に関する検討(第2報) : 自己点検のための基準による分娩期のケアの検討(Group45 その他,ポスターセッション)
- P-091 医療機関における助産ケアの質評価に関する検討(第1報) : 自己点検のための基準による妊娠期のケアの検討(Group45 その他,ポスターセッション)
- P-234 経産婦の育児不安に関する文献的検討(Group54 育児,ポスターセッション)
- 父親に対する育児指導が母子退院1ヵ月後の父親の育児参加に与える影響
- WOCNが実施する人工肛門造設患者の性に関する指導 : 患者の性別による検討
- 都市部に居住する一般女性の更年期症状に対する医療機関受診の関連要因
- 256 地域に居住する女性の更年期症状に関する実態調査(更年期、老年期1, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 255 地域に居住する女性の更年期の地域サービス利用に影響する要因(更年期、老年期1, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 214 我が国における家庭における性教育に関する文献的考察(性教育1, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 136 早期新生児期における父親への育児指導が母子退院1か月後の父親の育児参加に与える影響(育児1, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 069 妊婦の求めるバースプラン記入用紙の検討(妊娠、分娩、産褥12, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 388 人工肛門造設患者の性に関する指導 : 患者の性別による検討(研究調査3)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 387 人工肛門造設患者の性に関する指導 : 資格・指導経験年数別の検討(研究調査3)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 073 妊娠中の初産婦がパートナーに求める日常生活援助(妊娠、分娩、産褥14)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 開業助産婦の開業形態からみた活動の特性
- 脊髄損傷女性の性行為および性の意識に関する年齢別実態調査
- ペリネイタルケア創刊25周年記念鼎談 これからのペリネイタルケア
- アルツハイマー型中期痴呆症患者に対する望ましいケアの検討 : 排泄・身支度ケアへの抵抗に注目して
- 特別養護老人ホーム入所者の家族介護者における精神的健康とその関連要因
- 国際学術交流の進め方(3)国際学会へ出発するまでの手続き
- 国際学術交流の進め方(2)国際学会への参加
- 安静時,受動および能動運動時の圧受容器反射感受性評価
- 虚弱高齢者におけるジェット水流運動の効果
- 新人助産師教育の現状と課題--「新人助産師臨床実践能力向上推進モデル事業」から見えたこと (特集 プロを育てる 自分を育てる いまこそ深めたい新人助産師教育)
- 自然流産を経験した女性の認識パターン : 流産後2週間の想起をもとに
- 助産婦の持つべき実践能力と責任範囲
- 私たちの行う助産婦外来(1)
- わが国における施設高齢者の転倒事故に関する文献的検討--認知症高齢者の転倒事故防止対策構築への考察
- 009 分娩に付き添った夫の意識調査(妊娠、分娩、産褥2, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 助産婦が行うモニタリングケア及びサポーティブケアの構造化と助産婦の臨床能力の明文化の試み : 関連する4つのスキルとその2つの機能の特定
- 「日本の助産婦が持つべき実践能力と責任範囲」に関する助産婦の認識(第3報) : 専門職としての自律を保つための行動と責任における実態
- 「日本の助産婦が持つべき実践能力と責任範囲」に関する助産婦の認識(第2報) : 女性のケア領域における実態
- 「日本の助産婦が持つべき実践能力と責任範囲」に関する助産婦の認識(第1報) : 周産期(妊娠・分娩・産褥), 家族, および地域母子保健領域における実態
- 施設助産婦による母子訪問
- 極低出生体重児における母乳栄養継続を可能にする要因
- 5. 品胎妊娠が成立した妊婦に対する、妊娠継続の意思決定までの関わり(ワークショップ(2)「母性看護専門看護師活動報告会・交流会」,第52回日本母性衛生学会総会)
- 極低出生体重児における母乳栄養継続を可能にする要因