脊髄損傷女性の性行為および性の意識に関する年齢別実態調査

概要

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脊髄損傷女性の性に関しての報告は少なく, また, 医療者が性を取り上げる困難さから脊髄損傷女性の性は放置されてきた。しかし, 脊髄損傷女性の性の満足はQOLの向上にもつながると考えられ, 脊髄損傷女性の性行為および性の意識について検討した。脊髄損傷女性270名に無記名の自記式質問紙調査票を配布し, 郵送法にて回収した。45歳未満(n=21)と45歳以上(n=16)の2群に分け, 統計処理を行った。受傷後の性交経験は両群とも差はみられなかった(45歳未満vs45歳以上:66.7%vs43.8%)が, 過去1年間の性交頻度では45歳未満が有意に多かった。性に対する興味, 関心と性の必要性は45歳未満で有意に高かった(81.0%vs6.3%)が, 性に対する抵抗感では有意差はみられなかった(66.7%vs56.3%)。性行為の目的では, 快楽性で差がみられた(57.1%vs18.8%)が, 生殖性と親和性は差がみられなかった。45歳未満の女性では性や性行為に対する積極的な傾向がうかがえた。今後もさらなる検討を行い, 脊髄損傷女性に対する性の相談, 指導に結び付けていく必要があると考えられた。
日本母性衛生学会の論文