48. 腹部回転立体撮影法における補償フィルタの検討 : 3 種類の補償フィルタの比較(X 線装置-2 自動露出補償フィルタ)

概要

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1) ファントム実験に於いて, iso-centerで回転立体撮影を行う場合, A1製ウエッジフィルタは, axial方向, sagittal方向では補償が充分であったが, double-oblique方向では, 補償が不充分であった。A1製粘土(10mm当量, 20mm当量)は, axial方向, sagittal方向, double-oblique方向すべてに於いて, 補償が充分であった。流体フィルタは, axial方向, sagittal方向, double-oblique方向すべてに於いて, 不必要な部分を補償する結果となり, 画質の劣化をきたすと思われた。以上の内容から, axial方向, sagittal方向では, 装着が簡便で被爆の軽減にもなるA1整ウエッジフィルタが適していると思われ, double-oblique方向は, ウエッジフィルタだけでは補償が不充分であるため, A1製粘土を使用する方がより適していると思われた。臨床に於いては, 肝臓の形状に個体差があるため, A1製ウエッジフィルタだけでなく, A1製粘土との併用が必要であると推察される。2) 撮影領域を広げるためiso-centerから離して, 回転立体撮影を行う場合, FOV内で補償が必要な領域が変化するため, 一定の充分な補償がされた画質を得るためには, フィルタがReal timeに変化し, 補償領域に対応していく必要がある。このため, 固定(ウエッジ・粘土)フィルタでは, 不必要な部分を補償する事になり画質の劣化をきたすことになる。流体フィルタを使用した場合, axial方向, sagittal方向, double-oblique方向各々につき, 容器内のspacer, 及び流体物質の容量を変化させる事によって, 最適に補償された一定の画質を得ることができた。しかし, 画像上に若干のmisragistrationによると思われる波動状のartifactが観察された。流体物質, 及び容量等を変えることにより, これらのartifactも消失させることが可能と思われる。また, さらに改善の余地が残されており, 当面artifact対策を課題として引続き検討を重ねていく所存である。
社団法人日本放射線技術学会の論文
1993-02-01

48. 腹部回転立体撮影法における補償フィルタの検討 : 3 種類の補償フィルタの比較(X 線装置-2 自動露出補償フィルタ)

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