158. MRI 用経口造影剤 (OMR : クエン酸鉄アンモニウム) 服用時の臨床に於ける有用性第 3 報(MR-5 造影剤)

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1.腹部MRIでは, 画像のS/Nは, 症例によって著しく異なる。これは, アーチファクトの出現を大きく左右する, 呼吸性体動の程度あるいは各臓器の解剖学的位置関係に個体差があることが主因と思われる。SE法にてアーチファクトが顕著に認められる症例に対しOMRを使用した場合, S/Nの低下から診断不能となったケースが多々みられた。しかし, 呼吸停止下短時間GRASS法を併用することによりアーチファクトの出現を抑制することが可能となり, 腫瘍部と消化管との識別が容易になると思われた。(Fig.3〜Fig.5)2.鑑別部に複雑に脂肪が入り組んで存在し, SE法にてOMRの信号が脂肪によりマスクされ位置関係の把握が困難になった症例の場合, Dixon法を併用し, 水・脂肪分離イメージングを用いることによって有為な情報を提供することが可能であった。(Fig.6〜Fig.8)また, 同イメージングでは, Water Proton Imageにおいて, OMRを高コントラストで描出可能であるため消化管壁の造影能が向上し, 胃・十二指腸上部消化管自体の腫瘍の同定に有用性が高いと思われた。3.MRIでは, 多断面からの撮像が可能であるためPulse-sequenceに於て複数断面の画像を得ることによって腫瘍の形状, 実質臓器との関連がより明瞭となり, 診断能の向上に寄与することが可能であると思われた。(Fig.9〜Fig.11)4.今回検討を行った腹部疾患50例に於て, OMRと個々の症例に最適なPulse sequenceを選択し, 併用することにより全ての症例で診断能の向上が認められると思われた。
社団法人日本放射線技術学会の論文
1992-08-01

158. MRI 用経口造影剤 (OMR : クエン酸鉄アンモニウム) 服用時の臨床に於ける有用性第 3 報(MR-5 造影剤)

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