385. 骨髄疾患における Gd-DTPA 造影 MRI 撮像法の検討(MR-12 造影剤)

概要

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骨内には, 脂肪髄が存在し, 細胞中に多量の脂肪が含有されている。このため, SE法T_1WIにてGd-DTPA造影後に病巣部と正常部分とのコントラストが著しく低下する場合がある。DIXON法は, 脂肪信号のみを抑制し, 組織中の水成分の集積を描出する事が可能なため, 骨皮質の破壊がある症例に対しては, 造影剤を用いなくとも病変部の検出が可能であった。しかし, 骨皮質の破壊がない症例では, 水成分の集積は, 微量であり単純像での描出は困難であると思われた。これらの症例では, 造影剤との併用により, 集積部の水成分の信号増強効果を生じさせられるため, 微弱な造影部を高コントラストで描出する事が可能であった。また, 体動による影響が少ない当部位では, 造影前後のDIXON画像によるSUBTRACTIONが可能であったが, SE法にて実施した場合に比し, 腫瘍成分が含まれている実質部分が著明にエンハンスメントされ悪性度の判定, 的確な生検部位の指示, 掻爬し漏れの回避の点で有用と思われた。Dynamic studyでは, 腫瘍部の血行分布を知ることができ, 本法の施行により, 腫瘍の壊死部と活動性の部分との鑑別が可能であると思われた。
社団法人日本放射線技術学会の論文
1993-08-01