タイリクヒメハナカメムシの分布北限について(半翅目 : ハナカメムシ科)
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概要
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分布北限付近で行った採集調査および耐寒性についてのヒメハナカメムシ類4種間の比較研究の結果をもとに, タイリクヒメハナカメムシOrius strigicollis (Poppius)の北方分布を制限している要因について考察した.本種の北方分布は冬の低温に制限されており, 基本的に1月の最低気温が-1℃を切らず, 冬期を通じての冬日(最低気温が0℃を切る日)日数が50日以内になる海岸部と都市部に分布していた.耐寒性試験の結果, タイリクヒメハナカメムシ休眠個体の0℃における生存期間が, この種よりも北にまで分布するナミヒメハナカメムシやコヒメハナカメムシの生存期間よりも短く, タイリクヒメハナカメムシの北方分布が冬の長さによって制限されていることが示唆された.関東平野においては, 都市の温暖化(ヒートアイランド)によって本種の分布が都市部に拡大している可能性が示唆された.冬日日数50日を指標にして日本列島全域における過去および現在のタイリクヒメハナカメムシの分布を推測し, 日本列島における都市温暖化が本種の分布に及ぼす影響についても考察した.
- 日本昆虫学会の論文
- 2001-12-25
著者
-
日本 典秀
生物研
-
清水 徹
独立行政法人情報通信研究機構知識創成コミュニケーション研究センター
-
清水 徹
琉球産経
-
日本 典秀
独立行政法人農業生物資源研究所
-
川崎 建次郎
蚕昆研
-
川崎 建次郎
独立行政法人農業生物資源研究所
-
清水 徹
独立行政法人 情報通信研究機構 知識創成コミュニケーション研究センター
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