マメハモグリバエ(双翅目 : ハモグリバエ科)幼虫寄生蜂の増殖効率
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マメハモグリバエの幼虫寄生蜂4種6系統について, 増殖効率を明らかにするとともに, 羽化蜂を効率的に回収するためペットボトル容器を用いた羽化蜂回収容器の有効性を検討した.1) 飼育箱に一定数の雌蜂を放飼し, 数百頭の寄主幼虫を与えた場合, 雌蜂あたり次世代数には種間で有意な差は認められなかった.2) しかし, 性比はC. pentheus, D. isaeaおよびH. varicornisで雄に偏り, 雌の割合が低かった.対照的に, N. formosaでは極端に雌に偏り, 雄はわずかであった.3) D. isaea(DI-KGS)の放飼雌数を5, 10, 20頭に変えて約800頭の寄主を供試した場合, 次世代の生産に利用された寄主の割合は20頭供試区でも27%と低く, 寄主体液摂取の対象となった寄主すなわち死亡幼虫の割合は30∿50%と高かった.4) ハモグリミドリヒメコバチN. formosaの産雄性単為生殖系統(NF-KHO)および産雌性単為生殖系統(NF-KGS)の成虫数百頭を飼育箱に維持しながら, 数百頭の寄主を供試した場合, 前者の次世代数は後者の2倍近い値となった.しかし, 前者の性比は雄に偏り, 後者ではほとんどの個体が雌であった.5) ペットボトルを用いた羽化蜂回収容器にはいずれの種も80%以上の個体が試験管に回収されたが, その割合はC. pentheusで有意に低かった.6) 以上の結果から, N. formosaの産雌性単為生殖系統が大量増殖に最も適していると考えられた.
- 日本昆虫学会の論文
- 1999-03-25
著者
-
山口 大輔
九州大学大学院農学研究院
-
嶽崎 研
鹿児島農総セ大隅
-
嶽崎 研
鹿児島農試
-
大野 和朗
福岡農総試
-
大野 和朗
福岡県農業総合試験場
-
嶽崎 研
鹿児島県農業試験場
-
山口 大輔
九州大学農学部
-
嶽本 弘之
福岡県農業総合試験場
-
マリヤナ ニナ
九州大学農学部昆虫学教室
関連論文
- アルファルファタコゾウムシの夏眠明け後の発生と防除適期
- E227 アルファルファタコゾウムシの生物的防除 : 1)花外蜜腺の効果
- E226 アルファルファタコゾウムシの寄生蜂ヨーロッパトビチビアメバチの福岡市近郊への定着とその防除効果
- C103 夏眠明け後のアルファルファタコゾウムシの飛翔筋および卵巣の変化
- D205 土着寄生蜂Neochrysocharis okazakiiを用いたコマツナのマメハモグリバエの防除(寄生・捕食・生物的防除)
- D302 アルファルファタコゾウムシの生物的防除
- E203 クロタマゴバチ類2種における寄主探索行動 : カメムシ成虫の誘引性(生物的防除・寄生蜂・天敵)
- G310 東日本におけるアルファルファタコゾウムシの分布と生態型
- B215 マルボシハナバエ(ハエ目:ヤドリバエ科)によるカメムシ類の死亡率(生理学・生化学 寄主・捕食・生物的防除 家屋害虫)
- ガ-ベラ圃場でのマメハモグリバエに対する殺虫剤の効果
- E212 施設栽培トマトにおける土着寄生性天敵を用いたハモグリバエ類の防除(防除法 害虫管理 IPM)
- 鹿児島県における施設栽培トマトでの土着寄生蜂を用いたハモグリバエ類の防除 (特別企画 ハモグリバエ類の発生生態と防除)
- G301 土着寄生蜂を用いたトマトのマメハモグリバエの防除(寄生・補食・生物的防除)
- I208 日長及び温度がアルファルファタコゾウムシの夏眠覚醒に及ぼす影響
- Bacillus subtilisの媒介法と散布法におけるトマト花房での菌量と灰色かび病発病の関係
- (130) マルハナバチを利用した拮抗微生物によるトマト灰色かび病の生物的防除法 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- マメハモグリバエに対するmilbemectin乳剤の殺虫効果と幼虫寄生蜂イサエアヒメコバチ幼虫の生存に及ぼす影響
- A106 マメハモグリバエの幼虫寄生蜂4種の飼育効率(寄生・捕食生物的防除)
- A105 マメハモグリバエの天敵大量増殖 : 土着寄生蜂Neochrysocharis okazakiiの大量増殖法(寄生・捕食生物的防除)
- マメハモグリバエ(双翅目 : ハモグリバエ科)幼虫寄生蜂の増殖効率
- マメハモグリバエ幼虫寄生蜂の大量増殖法
- D126 マメハモグリバエの天敵大量増殖 : マメハモグリバエの大量増殖法(ダニ・クモ 飼育法・栄養学 分類学・系統学・進化学)
- 対抗植物マリ-ゴ-ルドによるクルミネグサレセンチュウの密度抑制効果
- マメハモグリバエの寄生性天敵Diglyphus isaeaの飼育方法
- 露地栽培のナスにおけるミナミキイロアザミウマの総合防除体系の有効性--現地農家圃場での実証
- A107 Asexual Strains of Neochrysocharis formosa (Hymenoptera:Eulophidae) attacking the leafminer Liriomyza trifolii(Diptera:Agromyzidae)
- I113 マメハモグリバエに対するミルベメクチン乳剤の殺虫効果と幼虫寄生蜂に対する選択性(防除法・害虫管理・IPM)
- D127 マメハモグリバエの天敵大量増殖 : 省力的な寄主の大量増殖法(ダニ・クモ 飼育法・栄養学 分類学・系統学・進化学)
- C216 日本におけるショクガタマバエの分布と寄主範囲および今後の利用(寄生・捕食・生物的防除)
- A303 マメハモグリバエの土着天敵Diglyphus isaeaの産卵消長とhost-feeding(寄生・捕食 生物的防除)
- D108 チャバネアオカメムシに関する生態学的研究 : I.春世代の個体群レベルの推定(集団生態学)
- A303 冬期施設ナスにおける捕食性ハナカメムシWollastoniella rotundaの幼虫放飼によるミナミキイロアザミウマの生物的防除(寄生・捕食生物的防除)
- E214 施設トマトでのバンカープラントによるハモグリバエ類の防除(防除学・害虫管理・IPM)
- A219 促成トマトでの総合的害虫管理 : 1.マメハモグリバエ土着天敵の放飼頭数の検討(防除法・害虫管理・IPM,動物行動学・行動生態学)
- 施設ガーベラのマメハモグリバエに対する土着天敵の働きと農薬の影響
- C119 施設ナスにおける総合的害虫管理戦略 : 1.新規殺虫剤のヒメハナカメムシ類に対する影響(防除法・害虫管理・IPM)
- I217 ミナミキイロアザミウマの密度と被害果率の関孫 : 露地および促成栽培ナスでの比較(防除法・害虫管理・IPM 発生予察・被害解析)
- A207 施設栽培ナスにおけるナミヒメハナカメムシの放飼適期(有用昆虫 寄生・捕食 生物的防除)
- G107 地域別にみた夏秋ナスでの総合防除の有効性 : アザミウマ類群集の関わり(害虫管理 総合防除)
- G102 ガーベラほ場におけるマメハモグリバエの寄生性天敵群集と寄生率(害虫管理 総合防除)
- E223 露地ナスおよび周辺植物におけるヒメハナカメムシ類の種構成(殺虫剤作用機構・寄生・捕食関係・生物的防除)
- D209 栽培条件が夏秋ナスでのアザミウマ類の種構成に及ぼす影響(害虫管理・総合防除)
- B313 寄主転換によって可能な多化性Asphondylia属タマバエ類の生活環(生活史・分布)
- レンゲ畑での羽化から越夏後,圃場への再侵入までのアルファルファタコゾウムシ成虫の行動
- G215 アルファルファタコゾウムシ各系統の日本国内における分布状況(生活史・分布)
- E222 アルファルファタコゾウムシ成虫の越夏場所への移動及び越夏後の行動(防除学・害虫管理・IPM)
- C309 樅ノ木は残るか(二) : 雲仙におけるモミの立ち枯れ被害の拡大(発生予察・被害解析)
- I220 施設トマトの総合防除体系におけるハモグリバエに対する天敵ハモグリミドリヒメコバチの有効性(防除法・害虫管理・IPM)
- おとり餅を使用したアルファルファタコゾウムシ防除法の研究
- 夏期の湛水処理による植物寄生性線虫類に対する防除効果
- アルファルファタコゾウムシの産卵数による防除適期の推定
- アルファルファタコゾウムシの夏眠明け後の発生と防除適期
- 夏期の湛水処理による植物寄生性線虫類に対する防除効果