多重スケール区分点検出に基づく階層化心電図圧縮

概要

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近年、携帯型心電図計測装置の普及に伴ない、様々な心電図圧縮法が提案されている。これらの心電図圧縮法の目的は、大量の心電図波形をできるだけ小さな記憶容量で記憶することである。しがしながら、不整脈の診断等においては、疾患を示す心電図波形は全体の一部であり、その他正常な波形を記録する、また観察することは冗長である。そこで、本報告では、心電図波形を診断において重要な役割を果たす区分点に着目し、心電図波形を区分点とその区分点の性質を記述する付加情報に階層化する。これにより、第1階層では R-R 波間隔、第2階層では P-QRS-T 波の各区分点座標、第3階層では、区分点への付加情報、第4階層ではその他の変曲点情報を符号化する。提案する階層化心電図符号化法により、最もデータ量の少ない第1階層から順にブラウズすることで、疾患を示す心拍区間を検索することが可能である。したがって、大容量の心電図データを低速度の通信回線を用いても短時間での観察・診断を実現することが可能になる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-13