2値位相変調信号に対する量子光受信器の構成法

概要

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深宇宙通信や超高速光ファイバ通信においてコヒーレント光通信方式を用いる場合、受信側では10光子/ビット以下の微弱信号を識別できるような検出性能が要求される。現在のヘテロダイン検波方式あるいはバランスドホモダイン検波方式では回路の熱雑音や背景光雑音等を復調過程で差し引くことができるため、例えば強度変調信号の直接検波に比べ格段に良好の受信感度を達成できる。ところが、これらの検波方式の理想的な極限と言えども、実は無雑音のプロセスではない。すなわち、光電信号変換過程において光信号の量子性のために、変換後の電子信号にPoisson過程に従う確率的な揺らぎが生じ、これが最終的な雑音となってシステム性能を制限する。この様な雑音を量子雑音と呼び、これによって決まる受信限界はショット雑音限界と呼ばれる。現在のコヒーレント光通信方式で使われる典型的な搬送波の周波数はf〜200THz程度であり、このような高い周波数領域では熱雑音よりもむしろ量子雑音が主な雑音となる。しかし、ショット雑音限界は絶対的な限界ではなく、究極の検出限界(ビッド誤り率)はさらに下のところにある。これは量子雑音を制御することによって初めて可能となる。本報告では、この究極の検出限界に到達する量子受信器の実現法について報告する。特に、従来のホモダイン検波方式や直接光子計数の技術をそのまま活かしたデバイス構成論について提案する。
1997-08-13

2値位相変調信号に対する量子光受信器の構成法

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