ファクシミリサービス品質の評価技術

概要

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G3ファクシミリの利用は公衆網、専用網を問わず順調な伸びを見せており、この傾向はビジネスユースからホームユースヘの拡大によって一層拍車がかかっている。しかしながら、ファクシミリ通信の増大に伴い、呼切断、走査線誤りによる画品質劣化といった技術的なサービス品質劣化に関する顧客苦情、トラブルが出ており、品質管理の重要性が増している。以上のような動向を背景に、ファクシミリサービス品質管理の基盤となる品質評価技術について検討したので報告する。最初にG3ファクシミリのサービス品質(QOS;Quality of Serviceと呼ぶ)の評価尺度と国内の実態を示す。次にQOSに対するユーザ認識の調査結果を報告する。さらに、ユーザに与える影響が大きい画品質劣化に着目し、走査線誤りの発生特性及び原画の画素間相関特性に関する物理量から平均オピニオン評点MOS;Mean Opinion Scoreを推定する数学モデルを提案する。主観評価実験のデータをもとに本モデルを検証し、実用化の見通しを得た。最後に、試験呼及び実呼のQOS測定機能、上記のMOS推定法を搭載したファクシミリサービス品質評価システムを開発したので紹介する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-09-26