割れ目系岩盤における水理地質構造の調査手法の提案と適用 : (<特集>地盤計測結果の応用地質学的評価)

概要

論文の詳細を見る
今後予想される地下開発に伴い、地下空間を伴う構造物(例えば地下発電所、圧縮空気貯蔵施設、放射性廃棄物地下処分施設等)の立地選定やサイト特性評価においては、施設周辺の透水性を明らかにし、その結果に基づき地下水流動を的確に把握する必要がある。特に、均質な岩盤である堆積岩と異なり、岩体の冷却時の割れ目にその後の構造運動に上り形成された割れ目が重複する結晶質岩においては、その地下水流動特性は割れ目の分布、性状に支配され、より複雑であることが予想される。このため、調査段階においてはより高い精度が要求され、さまざまな地質・地下水・地下水化学清報をもとにして、対象となる岩盤の水理地質構造モデルを作成することが重要な課題となる。既に、割れ目の分布についてはさまざまなモデル化手法が提案されている(例えば、SCHWARTZ and LEE、 1991)<1)>。提案されたモデルは最終的には地下水流動解析に用いられ、岩盤中の地下水流動がシュミレートされることとなる。放射性廃棄物の地層処分に関しては、既に地下実験施設において割れ目のモデリングや地下水調査技術が開発、適用されている<2)〜4)>。本報告では、既存の調査技術および新たに開発した技術を水理地質構造を明らかにするという観点から体系化を行い、調査システムとして提案するとともに、地下深度100m程度、100m×100m程度の拡がりを持つ結晶質岩に対して適用し、その適用性について検討した結果について報告する。
一般社団法人日本応用地質学会の論文
1996-02-10

割れ目系岩盤における水理地質構造の調査手法の提案と適用 : (<特集>地盤計測結果の応用地質学的評価)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク