リアルタイムシステムにおけるRISC性能の解析
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概要
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筆者は既にソフトオーバヘッドの評価のための平均命令実行時間の計算方法等を提案した. 該論文ではキャッシュが存在する場合の評価手法の確立が今後の課題として残されていた. また談論文はCISC上のリアルタイムシステム(RTS)の検討結果であり, RISCの導入に伴い, RISCとCISCの処理能力比を明らかにする必要性に迫られた. 当論文では, 実際に使用されているCISC上のRTSのトレースデータをRISC用のデータに変換し, それを入力してキャッシュ等の動作のシミュレーションを行うことにより, RTSにおけるCISCと比較したRISCの処理能力比等を明らかにする手法と, その評価例について述べる. また該評価例により, キャッシュアルゴリズムのうちキャッシュが1階層のライトスルー方式(MIPS R3000相当)では, 連続するライトにより性能が低下する場合があること, キャッシュが2階層のライトバック方式(MIPS R4000相当)では, 性能は2次キャッシュの速度に大きく依存すること, およびRTS全体の特性はタイムシェアリングシステムのアプリケーションプログラムの特性とは異なること等を明らかにする. これらの手法によりCISCと比較したRISCの性能比だけでなく, キャッシュを含む性能特性の要因を, 実際のRTS全体におけるソフトウェアモデルに基づいて明らかにすることが可能である.
- 1996-02-25
著者
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