視覚課題に基づく情報処理過程における瞬目生起タイミングの分析
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概要
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人の情報処理過程を構成する計算や記憶, 及びその処理過程の進行中における注意の状態と瞬目生起タイミングの関係を明らかにするための実験的検討を行った.本実験では, ランダムな時間間隔で更新される整数に対して, 記号刺激を瞬間呈示した時点で計算や記憶を課す視覚課題を構成した.一試行では4回の記号刺激が呈示されるので, 一連の情報処理過程はその呈示時点を境界として5段階の部分処理過程に分割される.まず, 計算終了時点と瞬目生起時点の対応関係を確認するために, 難易度の異なる4種類の計算・記憶条件を導入した.次に, 処理過程進行中の認知的負荷が整数更新時の瞬目生起タイミングに及ぼす影響を把握するために, 部分処理過程の移行に伴い記憶負荷が増加する条件を設定した.得られた知見は次のとおりである.第1に, 記号刺激呈示後に形成される瞬目集中の時点は計算処理終了時点に一致しない.第2に, 計算や記憶の対象となる整数の消失による注意の中断や開放が瞬目を促進する要因である.第3に, 部分処理過程の進行に伴う注意の集中が瞬目を抑制する要因である.第4に, 整数更新に対する瞬目生起タイミングは認知的負荷の差異を反映する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-10-01
著者
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