心理実験のための瞬目の自動抽出法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
瞬目と認知過程との関係を探る心理実験的研究においては,VTRを用いた瞬目解析法が活用されているが,この手法では瞬目検出の自動化が一つの課題となっている.そこで,本論文では,まずVTRなどに録画された動画像から,画像処理手法を用いて瞬目を自動抽出する方式を提案する.本方式は,瞬目発生に伴う眼球表面上の色情報の時間的変化に着目し,色情報が変化した領域を瞬目領域として抽出する原理に基づく,本方式の特徴は,色情報判定テーブルを導入することにより,色情報の比較演算を高速処理化した点にある.次に,抽出された瞬目領域を用いて,瞬目に関する基礎データを抽出した結果を示す.まず,各フレームにおいて抽出された瞬目領域の面積(抽出画素数)を用いて,各フレームにおける瞬目発生の有無を判定し,かつ瞬目発生時刻を特定する検出実験を行った.その結果,30例の瞬目のうち28例の検出に成功した.更に,個々の瞬目の特性を表現するための測度である瞬目波形を6名の被験者について抽出したところ,得られた瞬目波形がほぼ良好に瞬目の進行過程を表現しているいることを確認した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-05-25
著者
関連論文
- A-15-23 単調な視覚作業中の経過時間に対する瞬目活動の変化
- 周辺視による刺激検出処理と瞬目生起タイミングの関係について
- 時系列成長図形の識別課題に基づく瞬目生起タイミングの分析(人間の視覚・聴覚情報)
- 視線位置と舜目に基づく視覚的注意の他覚的評価
- 視線位置と自発性瞬目に基づく注目対象の推測に関する研究 : 短時間呈示された個々の刺激に対する注目の有無の推測実験
- 視線位置と瞬目に基づく注目対象の推測に関する一検討 (2)
- 情報処理過程と自発性瞬目の関係を分析するための時系列成長図形を用いた図形識別課題の提案
- 視線位置と瞬目に基づく注目対象の推測に関する一検討
- 29-4 時系列成長図形の識別過程における瞬目生起タイミング
- 4)瞬目に基づく注目対象の推測に関する基礎的検討(ヒューマンインフォメーション研究会)
- 自発性瞬目を指標とするディスプレイ上の注視対象の推測に関する基礎実験
- 注視点と瞬目に基づく注目対象の推測に関する基礎的検討 : 注視点の移動と瞬目潜時の関係
- 瞬目に基づく注目対象の推測に関する基礎的検討
- 24-7 自発性瞬目のリアルタイム抽出実験
- 時系列顔画像を用いた瞬目波形の抽出
- 色度と明度情報を用いた瞬目抽出法の提案
- 心理実験のための瞬目の自動抽出法
- カラー動画像を用いたまばたき検出法の提案
- 指標追従作業と記号弁別作業に従事中の瞬目生起タイミングの分析
- 視覚課題に基づく情報処理過程における瞬目生起タイミングの分析
- A-15-6 視覚的注意の方向と瞬目率時間分布の関係について
- 視覚刺激の呈示条件の相違が瞬目率ピークに及ぼす影響
- 数字の記憶・計算課題における瞬目生起タイミングの分析
- カタカナ図形の識別課題に基づく瞬目生起タイミングの分析