光学研磨法を用いたGe基板へのテラヘルツ波帯無反射コーティング
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概要
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従来, テラヘルツ(THz)波帯の光学素子に用いる無反射コーティング(Anti-Reflection, AR)膜は, 光波帯に比べ膜厚がはるかに厚く数十μm程度になることから, 作製及び膜厚の制御が困難であった. この問題を解決するため我々は, 適当な屈折率を有する結晶又は非品質の薄板をTHz波帯光学素子表面に光学接着剤で接着した上で, 高精度機械研磨により膜厚制御を行う方法により, 波長数百μmのテラヘルツ波帯(遠赤外領域, サブミリ波帯)におけるARコーティングを製作する新しい手法を開発した. この方法により, アンドープのGeウェーハ上に, THz波帯の屈折率が適当な(Geの屈折率のほぼ平方根)溶融石英の薄板を光学接着剤で接着し, 溶融石英板の光学的厚みをTHz波長の1/4に研磨することにより, ARコーティングを作製した. そのコーティング面の反射率は, 無コーティング時に比べて計算どおり数百分の1に低減した. また, 研磨厚精度の再現性を確認する目的で両面ARコーティングを試み, 目標とした波長において干渉スペクトルが消えること, 及び計算どおりの高い透過率が得られることを確認した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-05-25
著者
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廣本 宣久
郵政省通信総合研究所
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廣本 宣久
静岡大学スペクトルデザイン情報通信研究機構
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藤原 幹生
郵政省通信総合研究所
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川瀬 晃道
郵政省通信総合研究所
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川瀬 晃道
郵政省通信総合研究所:(現)東北学院大学工学部応用物理学科
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廣本 宜久
郵政省通信総合研究所
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