話者識別に寄与するスペクトル包絡の成分について
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概要
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単母音のスペクトル包絡において話者識別に寄与する成分を聴覚実験により検討した。実験には、LMA分析合成系を利用してスペクトル包絡を種々変形した音声を用いた。その結果、話者識別にはスペクトル包絡のくぼみよりもピークが重要な意味を持っていることを明らかにした。また、スペクトル包絡における個人性は音韻によらず約20 ERB rate (1740 Hz)付近に存在するピーク以上の帯域に顕著に現れることを明らかにした。さらに、この帯域のピークを三角形により近似しても音声の個人性は保存される。この結果は、話者識別にはスペクトル包絡の高域のピークの周波数とバンド幅が重要である可能性が高いことを示唆している。
- 1996-03-08
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