短遅延音声合成のための素片選択法(合成・生成,韻律,一般)

概要

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短遅延音声合成のための素片選択手法について議論を行う。近年、波形接続型音声合成では、高品質の音声を得るために大規模な音声素片データベースが用いられるが、これにより素片選択処理に要する時間も増加している。従来は、1発話に対する合計コストの最小化に基づく素片選択を行っていたが、この方法では、その発話の最後まで仮説を展開し終えて初めて出力素片系列が決まるため、対話システム等で要求される高速な応答を実現する事が容易ではない。そこで高速な応答を実現するため、累積コストを尺度とした、仮説展開と、選択素片の決定を同時に行う手法を導入する。ある時刻の素片を一意に決定すると、既に展開した仮説系列中に無効な仮説系列が生じるため、素片選択の結果は仮説の展開方法に大きく影響を受ける。本稿では、まず、全ての仮説を展開する方法と、DPに基づく仮説展開方法の2つについて述べ、さらに、その両者を一般化した形とも言えるN-best仮説展開に基づく手法について検討する。実験の結果、より良い選択結果を得るために、N-bestの仮説展開が必要である事が示された。
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-08-12