3次元ビタビ探索に基づくハンズフリー音声認識における適応型アレーの効果

概要

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実環境下でハンズフリーな音声認識を実現するために、マイクロホンアレーを用いた3次元ビタビ探索に基づく音声認識法を提案している。3次元ビタビ探索法では、マイクロホンアレーの指向性ビームをフレーム毎に対象とする全ての方向に順次向け、特徴ベクトルの方向・フレーム系列を計算する。そして、方向とフレームとHMMの状態からなる3次元トレリス上で最も尤度の高いパスを探索することにより、発話者の移動軌跡と音素系列を同時に推定する。これまでマイクロホンアレー信号処理として遅延和アレーを適用し、実環境で収録したデータを用いて3次元ビタビ探索法の有効性を確認している。本稿では、3次元ビタビ探索法の性能をさらに改善するために適応型アレーであるAMNORを適用し、実環境で収録したデータを用いてその効果を調べた。その結果、発話者移動時にAMNORとCMNを併用することにより、Cleanのとき92.5%、SNR20dBのとき88.8%、SNR10dBのとき81.0%の単語認識率が得られた。また、発話者位置固定時についても同程度の単語認識率が得られた。よって、AMNORを3次元ビタビ探索法に適用することが非常に効果的であることが分かった。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-04-24