2次経路の同定を必要としない能動騒音制御

概要

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主音源からの騒音を参照マイクロフォンによって事前に検出し,目標点での騒音をキャンセルする制御音を2次音源から発生させるフィードフォワード型適応能動騒音制御ではFiltered-xアルゴリズムに基づいたアルゴリズムが数多く提案されている.しかし,Filtered-xアルゴリズムでは2次音源から誤差マイクロフォンまでの2次経路の特性が既知であることが要求される.したがって,この経路特性が未知の場合や変動する場合には,これを逐次的に同定し,その結果を用いてFiltered-xアルゴリズムのフィルタ特性を更新する方法や,2次経路の同定に基づいてフィードフォワード補償器を更新する方法が提案されているが,可同定性や安定性などの問題がある.本研究では,実際のキャンセリング誤差ではなく,仮想的に導入した2種類の誤差に対して適応フィルターを調整することにより実際のキャンセリング誤差を低減できるマルチチャンネル型能動騒音制御アルゴリズムを提案する.また,数値シミュレーションにより提案法の有効性を検討する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-12-13