積雪に対するミリ波帯電波の特性

概要

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降雪量の多い北国の道路交通や除雪作業にミリ波レーダが有効活用されるためには, 積雪中に埋もれた路側標識等の物標に対する検知性能を知ることが必要であり, 実際の積雪に対するミリ波特性を知ることが必要である。そのため, 北海道恵庭市郊外に自然たい積している新雪とざらめ雪を, 採取直後の屋外において自由空間伝送法により測定し, 得られたミリ波伝搬遅延時間と減衰量から屈折率, 電力が1/cとなる侵入の深さ, および複素誘電率を求めた。この結果, 雪の誘電率の実部は密度の直線近似式で表すこどができた。また侵入の深さを測定し, 氷や新雪と比べざらめ雪は約1けた小さいことを確認した。この実験を通し, 新雪も積雪も共に測定部位によるばらつきが多く, 均一な誘電体とみなすことは困難であることがわかった。更に, 雪に埋まった金属埋設物に対する検出の可能性を検討し, 実際に深さ50 mmの新雪と30 mmの霜ざらめ雪に埋設された金属物体の検出能力につき実験し, ざらめ雪の検出のほうが困難であることを確認した。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-01-25