雪氷のミリ波帯誘電率の測定

概要

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降雪量の多い北国においてミリ波帯電波を利用した機器を開発・活用するためには, ミリ波帯電波に対する雪氷の誘電特性を知る必要がある。マイクロ波帯以上の周波数における雪氷の電波特性は1950年代から今日まで, 共振法や自由空間伝送法などにより多くの計測が行われている。しかし, 電波の吸収・減衰に関わる雪氷の誘電率の虚数部は実部に比べ3桁程小さく, ミリ波帯における高精度の計測は困難であった。さらに, 堆積した雪の密度, 含水量, 粒径, 温度などが, 試料を作った瞬間から変化し, 厳密には均質でなく, 粒径と同程度の波長を持つミリ波帯電波には一層複雑な構造が見えてくる。実利用システムの開発に当たっては, 実験室の中でなく現場で多数の雪の試料に関する測定データを蓄積し, 統計的に雪のミリ波帯特性を把握する必要がある。ここではミリ波帯電波め利用システムの開発を念頭におき, 50〜75 GHzのミリ波帯電波に対する雪氷の誘電率を北海道の恵庭市郊外において測定した結果を報告する。
1997-03-06