手指動作記述文を利用した手話単語間の類似関係の抽出方式 : 最長共通部分文字列探索(LCS)を基本尺度に

概要

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市販の手話辞書に記載されている手指動作記述文の類似性に着目し,手話単語対の類似度を定義した.手指動作記述文は,手話単語の構成動作(画像)を自然言語文に写像した1次元の特徴系列とみなせる.一方,自然言語文はある規則(文法)に制約を受けた文字系列といえる.特に,手指動作記述文は,動作の時間順序に従い記述されるという強い制約がある.また,使用される語彙も動作部位や動作の方向に制約があるため,限定されている.つまり,構文的にも語彙的にも文字の連接順序に制約があると仮定できる.我々は,動作記述文をn次元ユークリッド空間上の点と位置づけ,連接順序を保存する形で特徴観点(文字)を有するか否かの2値[1,0]で表現した特徴(ビット)ベクトルで表わす.つまり,動作記述文に現れた文字列はこの値が1の文字が列挙されたものと定義する.これにより,手話単語間の類似度は手指動作記述文間の類似度で計算され,2つの特徴ベクトルのなす角として定義できる.この類似度はパターン認識分野で広く利用されている単純類似度と同じになる.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-12-09