帰納推論における共有関係の役割/構造整列説の検討

概要

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カテゴリに基づく帰納において、前提と結論のカテゴリ間の類似性が大きい程、帰納推論の確証度は高くなるとされてきた。これに対して、Lassaline(1996)は帰納推論および類似性判断における共有属性と共有関係の役割について検討した。その結果、共有属性と共有関係はいずれも類似性判断に影響を与えるが、帰納推論の確証度判断に影響を与えるのは共有属性で、共有関係は影響を与えないことを示した。本研究では、Lassalineの結果を構造整列の観点から再検討した。構造整列の観点からは、(1)Lassalineの実験で、共有関係が帰納推論に影響を与えなかったのは、共有関係数が少なく、共有関係の顕著性が低かったためであり、共有関係数を増やせば、共有関係が顕著になり、帰納推論に影響を与えること、(2)帰納推論には影響を与えない程少数の共有関係が類似性判断に影響を与えたのは、類似性判断の過程で構造整列が機能し、共有関係が顕著になったためであり、確証度判断の前に類似性判断を行うことにより、共有関係が顕著になり、共有関係が帰納推論に影響を与えるようになることが予測される。これらの予測を3つの実験より検討し、ここで提案した構造整列説の妥当性示す結果を得た。
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2003-02-27

帰納推論における共有関係の役割/構造整列説の検討

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