和音によるプライミング効果の分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
和音のプライミング効果を調べ, 活性化拡散モデルによる説明の妥当性を検討した. このモデルによると, プライム和音と夕ーゲット和音を継時的に提示する際, 両和音が近親である場合 (関連条件) には, ターゲット和音の処理が促進されるはずである. 実験の結果, 被験者の課題が和音の同定であってもチューニングの正誤判断であっても, 非近親な和音がプライムとなる条件 (非関連条件) における反応時間が, 統制条件 (プライムなし, あるいはノイズがプライムとなる) における反応時間よりも有意に長いことが示された. しかし, 関連条件と統制条件の反応時間には有意差がなかった. さらに, 非関連条件における反応時間は, SOAが長くなるにしたがって徐々に短くなり, 統制条件における反応時間に近づいた. これらの結果は, 促進性のプライミング効果を前提とする活性化拡散モデルでは説明困難であり, 妨害性の効果を生じさせるメカニズムが結果の説明に必要であることを示唆する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-01-23
著者
関連論文
- 和音プライミングにおける刺激間間隔とプライム和音の成分音の影響
- 事象関連電位による共感覚表現の認知過程の分析
- 和音によるプライミング効果の分析
- 顔表情のガボール・ウエイブレット表現
- 人間の物体認知における視点依存性と非依存性
- 物体認識における心的回転経路の分析
- 6)持続的注視による顔の表情認知の遅延 : 正立顔と倒立顔の比較(ヒューマンインフォメーション研究会)
- 持続的注視による顔の表情認知の遅延 : 正立顔と倒立顔の比較
- 持続的注視が漢字認知におよぼす影響とその方位依存性
- 持続的注視による漢字認知の遅延--ゲシュタルト崩壊現象の分析