fMRIによる多種感覚位置情報(視覚,触覚,姿勢)の脳内処理過程の解析(ヒューマン情報処理及び一般)(ヒューマンコミュニケーショングループ(HCG)大会)

概要

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空間認識においては,視覚,触覚や自己の身体感覚などの,複数の感覚の情報を用いることで,対象の位置の同定が可能となる.本研究では,視覚刺激の位置と触覚刺激の位置の対応を取る課題を,手を交差した時としない時とで行い,その間の脳活動をfunctional Magnetic Resonance Imaging(fMRI)を用いて測定することで,複数感覚の位置情報の処理が,人の脳内においてどのように行われているかを調べた.実験では,視覚刺激の左右位置と,手の人差し指に与えられる触覚刺激の左右位置が同じ側か異なる側かを答える諜題を,手を交差しない条件(Uncrossed),手を交差して触覚刺激の左右を手の左右で答える条件(Crossed-hand),手を交差して触覚刺激の左右を身体軸での左右で答える条件(Croosed-body)の3条件で行った.実験の結果,反応時間は,手を交差しない条件で最も速く,手を交差したときは,体軸の左右で判断する方が,手の左右で判断するよりも速かった.課題中の脳活動に関しては,手を交差したときにより強く活動した部位が,背側の視覚野(BA 18/19)と上頭頂後部の内側(BA7)に見られた.手の交差という姿勢変化による視覚野の活動変化は,空間認識の処理が複数感覚間の双方向処理により行われていることを示唆する.
2003-03-11