電気通信システムと障害者コミュニケーション

概要

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障害者がコミュニケーションのために使用する情報機器(コミュニケーション機器)の研究開発、設計方法については、感覚強化・代行の分野で多くの議論がある。一方、電気通信技術の発達にはめざましいものがあり、障害者も健常者と同じように、グローバルなコミュニケーション環境の実現を目指す検討もある。このような環境が実現されるならば、従来から言われている障害者と健常者との間の「情報格差」の軽減が期待できる。しかし、障害者が電気通信システムを通して自由に、快適なコミュニケーションを図るためには、従来にもまして機器インタフェースの設計が重要な要因となる。本文では、電気通信システムを通して伝達される音声、文字、図形・映像等のメディア(情報通信メディア)を利用して障害者が他者とのコミュニケーションを図る場合を対象とし、人間側の情報メディア(人間情報メディア)と通信システム、機器側の情報通信メディアとの整合化の課題を検討する。電気通信システムの利用者が健常者だけである場合には、たとえ2つのメディア間の整合性が十分でなくても、よく言われるように人間が通信システム側に近づく(適応化)ことによって、多くの場合、支障なく利用することができる。ところが、利用者が種々の機能的な障害を持つ障害者の場合には、通信システムに対する適応化が常に健常者と同じように図れるかどうかは疑問である。このことは、よく知られた事実であり、感覚強化・代行の技術はシステムと人間とのギャップを埋めるためのシステム設計であるとみなすこともできる。本文では、このギャップを情報通信メディアと人間情報メディアとのインタフェース(メディアインタフェース)と捉え、通常の電話機、ファクシミリ、ISDN64kbit/sテレビ電話機を具体的な例としてインタフェースを考える。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27

電気通信システムと障害者コミュニケーション

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