乱流媒質中の楕円柱導体による後方散乱の解析
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概要
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物体の後方散乱断面積の解析はレーダ工学における重要な研究分野の一つである.後方散乱断面積は物体の形状にはもちろん,その周りをとりまく媒質にも影響を受ける.大気乱流などの乱流媒質中の散乱体により電磁波が散乱される際,ダブルパス効果と呼ばれる現象が生じる.これにより後方散乱強調効果が引き起こされ,散乱体の後方散乱断面積が自由空間中のものとは著しく異なってしまう.これはダブルパス効果により入射波と散乱波が確率的に結合することによるものである.そのため乱流媒質中における散乱問題では,入射波から散乱波という直接的な解法をとることは困難である.本稿では,入射波から散乱体上の表面電流を求め,それから散乱波を求めるという間接的な解放を用いている.入射波を表面電流に変換する作用素として,電流生成作用素という線形作用素を導入し,散乱体の後方散乱断面積の定式化を行なった.この解析方法は,任意形状の散乱体に有効であり,これまでに,円柱導体の解析がなされている.本解析では散乱体として,楕円柱導体を考えている.
- 1995-03-27
著者
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