認知神経心理学モデルとしてのニューラルネットワーク : 失語症をめぐって
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概要
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神経心理学的症状のうち失語症に焦点をあて、ニューラルネットワークによるモデル化を試みた。最初に失語症の症状と脳内部位との関連を概観し、脳内には概念系、媒介系および単語・文章生成系の3つ皮質経路に加えて、大脳基底核も重要な役割を果たしていることを指摘している。次に従来のニューラルネットワークモデルが大脳基底核の役割をインプリメントしていない点を指摘し、大脳基底核を含む新しいニューラルネットワークモデルを提案している。大脳基底核では入力情報の条件つき確率を自己組織的に獲得し、スパースコーディングによって同時に活性化するユニット数を制限する回路を実装した。一旦学習の成立したニューラルネットワークに対して概念系、媒介系、および大脳基底核の損傷によって失語症を表現することを試みている。最後に、失語症のリハビリテーションとして、再活性化、再編成、再学習の3つの回復機序をモデル内で表現できることを議論している。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2002-01-21
著者
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