連想記憶のダイナミクスの解析
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概要
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自己相関連想記憶のダイナミクスが、線形変換部分と非線形変換部分に分けて分析される。線形変換は、全ての状態ベクトルを含む(N-1)次元球面上にフロー生成し、状態ベクトルの遷移について主な役割を果たす。非線形変換は、各状態ベクトルに広い引き込み領域を提供し記憶パターンの安定化もたらすとともに、ノイズ成分を生み出すという両面性を持っている。自己給合のない自己相関連想記憶の記憶パターンの安定性は、非線形変換が生み出すノイズ空間成分を線形変換が増幅するか、抑制するかによって決まる。結合荷重の最小固有値λ^0_min>とパターン数と等しい負の固有値Ρとが等しくなるときに生じるこの変化は、線形変換が生成するフローにおいて、鞍点の一部と源点が交替することに対応する。不安定化した記憶パターンは、この新しいフローに乗って、ノイズ空間を経由しながら固有値の大きな固有ベクトルへと引かれてゆく。さらに、構成する固有ベクトルの固有値の分散が大きいものほど、記憶パターンは不安定になり易いことが示され、不安定化は全ての記憶パターンに対して同時には生じないことが明らかにされる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-05-19
著者
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