忘却を行なう自己相関連想記憶の幾何的性質
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
シナプス結合が時間とともに弱まるような忘却を導入したときの, 自己相関連想記憶のダイナミクスを幾何的に調べる. ここでは, 相互に相関がほとんどないランダムベクトルを記憶ベクトルとした第1の時系列, 時間的に近接するほど記憶ベクトル間の相関が大きくなるとした第2の時系列, さらに第2の時系列にランダムベクトルを挿入した第3の時系列について解析を行なう. 第1の場合には, 自己相関連想記憶は, 時系列を想起することができないが, 第2の場合には, 忘却と記憶ベクトル間の相関の効果によって, 時系列を近似的に想起できる. これは, 忘却が時間的に離れた記憶の連合に重要な役割を果たしていることを示唆する. さらに, 第3の場合には, 相関のある記憶ベクトルとランダムベクトルが混在する時系列から相関のある記憶ベクトルだけをつないだ系列が選択的に想起される. これらの結果は, 忘却には, 記憶が減衰するという否定的な効果だけでなく, 学習アルゴリズムでは時間的な連合かとれない程時間的に離れた記憶を連合するという肯定的な効果があるということを示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-03-18
著者
関連論文
- 鉄棒ロボットにおける大車輪の学習と動的制御
- 0/1出力型ニューロウインドウ連想記憶の有限系解析
- (0, 1)出力型ニューロウインドウ連想記憶
- 忘却を行なう自己相関連想記憶の幾何的性質
- 連想記憶の想起過程の幾何的解析
- 自己相関行列による連想記憶における記憶法の改良
- 教師なしクラスタリングを行う競合モデル
- 産学協同の基礎知識としての特許
- 連続時間型ニューロウインドウ法の解析
- 反学習を行う疑似競合ネットワーク
- 連想記憶のダイナミクスの解析
- 非対称荷重を持つニューラルネットワークの幾何的解析
- 並列同期計算による巡回セールスマン問題の高速解法
- ニューロウインドウ法による連続時系列の選択的想起
- 部分反転法の統計神経力学
- 離散同期型ダイナミクスを用いた組み合わせ最適解の探索
- 離散同期型ダイナミクスを用いた組み合わせ最適解の探索