動的計画法を用いたステレオマッチングにおける順序逆転問題の一解法
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概要
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両眼ステレオ視は, 環境に影響を与えない受動的な方法によって, 色と距離の二つの情報を同時に得ることができるため, 将来の移動ロボットの共通な眼として期待されている. しかし, 実際には左右画像間での対応点探索という困難な問題を解決する必要があり, これまでに問題に応じた数多くのステレオアルゴリズムが提案されてきている. 本論文では, それらの問題のうちでも移動ロボットの障害物検知において重要であるにもかかわらず比較的研究の進展していない「左右走査線上で対応点の順序が入れ替わる順序逆転問題」を取り扱っている. この順序逆転問題は, 従来手法の中で大局的な対応付けが可能な動的計画法を適用すると, 動的計画法の原理的制約から対応点の順序は入れ替わらないという仮定を設ける必要があり, 正しく処理され得ないとされてきた. 本論文で提案する方法は, この仮定を保持しつつ順序が入れ替わる問題を解けるようにするために, 対応点探索に四つ状態を設け, 動的計画法による探索を2段に分けて行うことにより, 対応点の順序が入れ替わる対象についても対応付けを可能にしている. 更に, 対応点の順序が入れ替わる走査線内探索問題にこの方法を適用し, その有効性を示している.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-05-25
著者
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藤井 実
日本原子力研究所東海研究所情報システムセンター
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藤井 実
日本原子力研究所
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藤井 実
日本原子力研究所計算科学技術推進センター:茨城大学工学部情報工学科
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松山 泰男
早稲田大学理工学部電気電子情報工学科
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松山 泰男
茨城大学工学部情報工学科
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