パターン分類手法に基づく文書画像の構造解析

概要

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文書画像から電子的な文書へのメディア変換技術としての文書画像の構造解析手法を提案する. これまでに, 構成要素領域の位置関係などをルール化し, これを対象文書に関する知識として用いるモデルベース型の手法が提案されている. しかしながら, これらの手法では, モデルに構成要素領域の位置関係を記述するため, 構成要素の相対位置が変動する場合において問題があった. そこで本論文では, 構成要素の位置, 行間隔, 文字の大きさ, 文字数などの特徴を画像特徴としてとらえ, これらを総合的に判断して文書画像の構造を解析する手法を提案する. 提案手法は, 文字列領域に相当する基本方形領域から特徴ベクトルを算出し, あらかじめ作成した参照ベクトルと比較して構成要素に対応づけるものである. 利点としては, 構成要素の位置関係が定まらない場合や方形表現できない場合でも抽出可能となること, 構成要素の確からしさを表現できること, 基本方形単位に並列処理が可能となることが挙げられる. 論文フロントページを対象とした実験により98.5%の基本方形分類率を得, 提案手法の有効性を確認した.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-05-25