胸部CT画像からの気管支3次元木構造の抽出の一手法

概要

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本論文では, 胸部CT画像から3次元的な気管支形状を取り出すための, 新しい方法を提案する. 従来の方法では, 主に領域拡大法などが用いられてきたが, これらの方法では気管支を単にボクセルの集まりとして取り出しているだけであり, 気管支の3次元的な形状は別途認識する必要がある. この方法は以下のモジュールから構成される. 1)気管支の延びていく方向を示す3次元ベクトルを検出するモジュール, 2)次の観測面で気管支の断面領域を抽出するモジュール, 3)抽出した断面領域が, 真に気管支の断面領域かとうかを判定するモジュール. これらのモジュールは再帰的に呼び出され, 気管支の形状だけでなく3次元的な構造も同時に得ることができる. また, この方法は気管支だけでなく, 血管をはじめとする3次元木構造をもつ対象物に適応が可能である. 実際のCT画像を用いた実験から, 気管支領域およびその3次元構造が良好に抽出できることが確認された.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-10-25