車載機器間通信における GPS を用いたブロードキャスティングプロトコル

概要

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道路交通が抱える様々な問題を解決するために、近年 Intelligent Transportation System (ITS)が注目されている。このシステムは自動車間での情報交換を要し、その最も有効な通信手段として車載機器間通信 (Inter Vehicle Communication) がある。これは、自動車端末同士が基地局等のインフラストラクチャーを媒介することなく通信するものであり、これを実現するネットワーク技術の一つとして、アドホックネットワークが挙げられる。しかし、この技術は二次元方向的なふるまいをする端末を対象としており、この技術を指向的なふるまいをする自動車端末に直接用いた場合、特に周波数帯域利用の効率において高い性能は望めない。本論分では、GPSから得られる情報をもとに、自動車のふるまいを考慮に入れたブロードキャスティングプロトコルを提案する。さらに、既存のアドホックネットワークによるブロードキャスティングプロトコルと提案されたプロトコルの性能を比較した。その結果、周波数帯域利用の効率において、提案されたプロトコルが既存のプロトコルに比べて、格段な性能の向上を示した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-01-20