ガウス形RBF展開による非線形伝送路の自動等化に関する研究

概要

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本論文では,ガウス形RBF(Gaussian Radial Basis Function)展開を用い,非線形伝送路でのひずみを等化するためのプリセット形自動等化器を提案する.RBF自動等化器では,非線形変換に使用されるcenterとその分布の選び方により性能が大きく影響される.そこで,提案する自動等化器では,周期性のある疑似乱数をテスト信号として使用し,送信信号ベクトルと受信信号ベクトルを1対1で対応させる.そして,対応づけた受信信号ベクトルの平均と分散を計算することにより,伝送路に加わるガウス性白色雑音の分散と伝送路に雑音が存在しない場合の全ての受信信号ベクトルをそれぞれ逐次的に推定し,非線形変換に使用されるcenterと雑音の分散の最適値として使用する.また,対応づけの結果,RBF展開に使用される線形結合の係数値を自動的に最適値に決定でき,従来必要であった適応アルゴリズムによる推定を行わなくても,最適な自動等化器を近似することが可能である.計算機シミュレーションでは,本自動等化器が従来の自動等化器に比べ,少ないテストデータ数で最適な自動等化器と同じビット誤り率を実現するとともに,より小さいビット誤り率を実現できることを示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-04-13