一方向性関数の平均時間計算量解析
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概要
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一方向性関数とは, 関数の計算は容易でも, 逆関数の計算が困難であるものを指す. 特に公開鍵暗号を構成するために必要とされている暗号学的一方向性関数は, これまで多くの研究者によって研究され, 特に1989年, その関数の存在と, 安全な疑似乱数生成器の存在が同値であることが示された. しかしその一方で, この関数が, どのような計算量理論的仮定の下で存在するかについては, ほとんど分かっていない. そこで本稿では, 逆関数の計算困難性を平均時間で測った一方向性関数について考察し, 平均時間一方向性関数と称する. 与えれた関数について, それが暗号学的一方向性関数であれば平均時間一方向性関数であることが示される. Ben-Davidらは弱一方向性関数が存在すれば, いかなるμεP-compによってもdominateできないηεP-sampが存在することを示した. 本論文では, 1対1の平均時間一方向性関数の存在を仮定するだけでも同様の結論が得られることを証明する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-07-21
著者
-
築地 立家
名古屋大学大学院
-
築地 立家
名古屋大学人間情報学研究科
-
築地 立家
名古屋大学情報文化学部自然情報学科
-
相田 慎
名古屋大学大学院人間情報学研究科情報基礎論講座
-
相田 慎
名古屋大学人間情報学研究科
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