US2000-17 100kHzの複合振動超音波金属溶接の接合特性について

概要

論文の詳細を見る
超音波溶接では高周波および複合振動を用いることにより、接合性能が向上し、一様な溶接部が得られ、接合の方向性が無くなる。また微細な溶接試料を接合するためには振動振幅は小さい必要がある。半導体チップ、各種の電子デバイス等のパッケージングに必要な比較的大きい面積3×3mmの溶接チップを有する、縦振動駆動部直径30mmの100kHzの複合振動超音波溶接装置を試作し、振動特性およびアルミニウム薄板等を用いて接合性能を調べ、27kHzおよび40kHzの場合と比較検討した。従来の超音波ワイヤーボンディング装置ではこのような大面積の溶接チップを得ることは困難である。100kHzの複合振動系は、溶接チップ4カ所を有する縦-ねじり振動変換器、速度変成用ホーン部、縦振動駆動部から構成している。縦-ねじり振動変換器は縦振動ノード部近傍の外周部に斜めスリットを12本を加工してあり、溶接チップ部は楕円軌跡で振動する。溶接チップ面積は更に大にすることが可能である。十分な溶接強度を得るのに必要な振動振幅は100kHzでは1.8mm(peak-to-zero value)で27、40kHzの場合と比較してかなり小さい。
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-06-12