C言語ソフトウェア保守工程におけるHalsteadのソフトウェアサイエンス計測と障害密度との関係の分析
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概要
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C言語ソフトウェアの保守工程において, Halsteadのソフトウェアサイエンス計測要素を厳密に測定する方法を提案し, 障害密度との関係を実験的に検証する. 障害密度は単位プログラム長当りに発生する障害件数である. ソフトウエア保守工程で発生する障害は, インタフェースミスやタイミングエラー等に起因することが多く, その原因を調べるためには, プログラムのネスト構造を深くたどらなければならない. プログラムは, 前バージョンのソースコードを追加・変更した改造部と, 変更せずに流用した流用部からなる. したがって, 改造部で発生する障害は, 改造部と流用部を併せたプログラム全体の複雑さのみならず, プログラム改造部の複雑さ, 及びプログラム間のインタフェースの複雑さに大きく依存する. プログラム改造部のオペレータ・オペランドを流用部のオペレータ・オペランドから分離カウントすることで, 容量, 難度, 心理的稼動時間等, ソフトウェアサイエンスの計測要素の測定精度を向上させる. 更に, プログラム間のインタフェースの複雑さを, プログラム実行条件文のネストの深さ等構造メトリックで測定する. こうして, 障害密度の評価精度を向上させる. 中規模ソフトウェア(85KSLOC)への回帰分析実験の結果, (1)改造部のソフトウェアサイエンスを流用部がら分離してカウントする方が, 分離しないでカウントした場合に比べて, 障害密度の評価精度を大きく向上できること(R~2=34%→68%), (2)改造部ソフトウエアサイエンスと構造メトリックを合わせた複合メトリックにより障害密度の全分散のうち75%を表現できること等を検証している.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-08-25
著者
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