バーチャルリアリティと人格
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概要
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今後,HMDなどを用いた没入型VR世界において,我々が他者と直接相互作用を行えるようになったときに,人格問題が大きな問題となる可能性がある.この問題を論ずる上で重要なのは,これまで歴史的になされてきた幾多の議論にも関わらず,我々は結局,現実世界における「人格」とは何かを知り得ないまま,VR世界の人格に対処していかなければならないという点である.従来の議論はこの点を看過している.本論は,こうしたジレンマ的状況の中で少しでも有効な議論を積み重ねていけるような,議論の一つの「方法」を提示しようとするものである.本論は特にVR世界が我々の欲求解放装置となる可能性に注目し,欲求に即した「プロトタイプ的人格」に基づいて議論を行うことを提唱する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-06-16
著者
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