複雑さを軽減したDS-CDMA用パスタイミング検出方式

概要

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DS-CDMA(Direct Sequence-Code Division Multiple Access)の逆拡散処理に必要となるパス受信タイミング検出機能を実現するにあたり, 回路規模を大幅に低減できる方式を提案している. 本提案方式では, 逆拡散用MF(Matched Filter)出力の電力値と, その平均値であるLPF(Low-Pass Filter)出力にオフセットを加えたものをしきい値とし, これらの2値判定によりパス受信タイミングの候補を求めている. LPF出力を用いてしきい値を作成することで, 伝送路変動に追随するしきい値となる. その後に, 2値判定結果を累加算平均して, パス受信タイミングを決定している. 本方式とMF出力の電力値を単純累加算平均した方式とを比較すると, 累加算平均メモリサイズを大幅に縮小可能である. また, 本方式によれば, 逆拡散にアナログMFを用いる場合でも, その出力にA/D変換器は不要である. 計算機シミュレーションによって提案方式と理想タイミング検出方式との比較を行い, Pedestrian Aモデルではほぼ劣化が見られず, Vehicular Bモデル, f_dT=1.25E-3において提案方式の上位3パス理想検出方式からの劣化量がE_b/N_0=10dBにおいて, 約1dB程度であることを示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-04-25