有限な宛先アドレス空間におけるアドレス生起過程の検討(<特集テーマ>IPv6,QoS制御及び一般)

概要

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インターネット上のサービスには,検索エンジンのように膨大な数のアドレスで構成される空間に対して行われるサービスと,電子商空間のようにある限られたアドレス空間に対して行われるサービスとがある.非常に大きなアドレス空間におけるアクセスパターンに関しては,宛先アドレス数の分布がZipfの法則によって特徴付けられることが知られている.また,アドレス生起過程にある種の定常性を仮定すると,生起過程はLRUスタックモデルによって記述できることが確認されている.一方,限られた宛先アドレス空間に関しては,アドレス生起過程が同様にLRUスタックモデルで記述できることがわかっている.ところが,宛先アドレス数に関する分布にアドレス空間の有限性に起因する形状が見られるため,この有限性をアドレス生起過程のモデルに入れる必要がある.本稿では,LRUスタックモデルにアドレス空間の有限性の構造を組込むことで,限られた宛先アドレス空間におけるアドレス生起過程のモデル化を行う.そのモデルによってアクセスパターンの特性を大局的に記述することが可能となることを示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-05-10