有限な宛先アドレス空間に対するインターネットアクセスパターンの特性分析

概要

論文の詳細を見る
インターネットアクセスパターンの特性として, アクセスされる宛先アドレス数に関する分布がZipf型分布によって特徴付けられることが知られている.また, アクセスされる宛先アドレスの生起過程にある種の定常性を仮定すると, 生起過程はベキ関数型のスタック成長関数(ISGF)に基づくLRUスタックモデルで記述できることがわかっている.これらの特性やモデルは, インターネットのアクセス網, バックボーン網で確認されている.従って, ネットワーク上に存在するほとんどすべてのアドレスがアクセス対象となっており, 宛先アドレスで構成される空間は非常に大きいものと考えられる.一方, 電子商空間のようにアクセス対象が制限されている空間も想定できる.本稿では, 限られた宛先アドレス空間, 即ち, アクセス対象となるページが制限されているような空間におけるアクセスパターンの分析を行う.それにより, 宛先アドレスの生起過程が, 宛先アドレス空間が極めて大きい場合の生起過程と同様にLRUスタックモデルで記述できることを確認する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-07-10