貿易金融EDIにおける2つのビジネスモデルの比較研究
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概要
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本論文は,貿易金融 EDI(Electronic Data Interchange)サービスにおける2つのビジネスモデル(Bolero と TradeCard)について,システム構成やセキュリティ等のIT(Information Technology)技術の側面と,電子商取引に関わる法制度的な側面から,両者の特徴を比較することにより,モデル上の普及に関する問題点抽出と有効な解決手段の立案,及び今後の課題について説明している.Boleroは,貿易金融取引における関与者間の従来からの書類の授受等の業務フローを踏襲することにより電子化を行っている.一方,TradeCardは,既存の業務フローを抜本的に見直しBPR(Business Process Reengineering)を行うことにより電子化を行っている.両者に共通する技術基盤としては,PKI(Pubric Key Infrastructure:公開鍵暗号方式基盤)技術の適用があり,インターネット上に構築された貿易金融 EDIコミュニティ内部の参加メンバ間の企業認証や,暗号化による通信セキュリティの確保を実現している.現時点では,大手グローバル企業よりも電子化の遅れている中小輸出入企業を取り込むことが,ビジネスモデル成功要因であり TradeCardが優位であるが,貿易金融取引すべてをカバーしてはいないため,将来的には Boleroと棲み分けていくことになると考えられる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2002-12-05
著者
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堀米 明
NTTコミュニケーションズ株式会社
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堀米 明
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社IPインテグレーション事業部
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小山 洋明
筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 情報システム科学
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小山 洋明
株式会社 日立製作所 ビジネスソリューション事業部
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