モデルの示す援助コストが児童の寄付行動に及ぼす効果
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概要
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本研究の目的は, 低コスト, 中コスト, 高コストという3つのタイプの寄付行動を示す3種類のモデルが2年生, 3年生児童の寄付行動に及ぼす効果を検討することであった。また別に統制群として寄付行動を示さないモデルが用意された。最初, 被験児は, VTRに録画されたこれら4つの種類のモデルの中の1つを観察した。その後, 被験児はひとつのゲームをし, 5枚のコインを獲得した。最後に, 被験児は自分のコインをかわいそうな子どもたちのために寄付するよう求められた。次に主な結果を示す。 (a) 高コストモデルの観察は, もっとも強く被験児の寄付を促進させたが, このように非常に高い自己犠牲的な行動を模倣することは何人かの被験児にとってかなり困難であるように思われた。 (b) 中コストモデルは被験児に模倣されやすかった。 (c) 低コストモデルもまた槙倣されやすかった。しかし, コインの平均寄付枚数は統制群のそれよりもわずかに少なかった。 (d) 被験児はモデルからモデルの寄付行動の原理を学習をしたと思われた。
- 日本発達心理学会の論文
- 1992-09-25
著者
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