母子間の"離抱"に関する横断的研究 : 母子関係を捉える新概念の提唱とその探索的検討
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概要
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本研究では,母親が自分の子どもを次第に抱かなくなって行く発達的過程を「離抱」と名付け検討し,その概観を明らかにすることを目的とした。1-13ヵ月の乳幼児を持つ母親達を対象とした質問紙調査を行ない,抱き時間や乳幼児の発達に関する情報を集めた。その結果,未頸定段階に6時間以上あった抱き時間は,歩行段階には2.5時間へと減少していくことが明らかとなった。さらに,乳児の発達的側面から,離抱に影響を与える要因を検討した。その結果,(1)姿勢運動発達,(2)身長,(3)体,(4)授乳形態,(5)子の体を動かす行動,(6)子の抱っこから降りたがる行動が影響を与えていることが示された。それを踏まえ,親性投資,システム論的観点等から離抱に対する考察がなされた。最後に,今後,観察研究,縦断研究,ダイナミックシステムズアプローチ,比較文化的アプローチといった観点から検討する必要性が示唆された。
- 2004-12-20
著者
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