63. ウシ蛙の脊髄神経節細胞内に存在するカテコラミンの螢光組織化学的証明
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概要
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われわれはウシ蛙の脊髄神経節(SG)内のモノアミンの細胞レベルでの局在を明らかにする目的でFalck-Hillarp法並びに顕微鏡螢光分光光度法を用いて検討したので報告する。湿度75%のホルムアルデヒドガス(FAG), 80℃, 3時間の反応条件の場合, SG内大小の節細胞軸索内には緑色の特異螢光が観察された。節細胞体内の螢光物質はび慢性に分布する黄緑色の螢光物質と強い黄色のLipofuscin顆粒螢光に区別された。緑色の特異螢光を発する軸索小丘の励起/螢光波長の最大値は400-410/490nmであった。黄緑色螢光の節細胞体と黄色螢光のLipofuscin顆粒の励起/螢光波長の最大値はそれぞれ410-470/490nmと470/520-530nmであった。前者の励起波長の最大値は後者のそれと緑色螢光を発する軸索小丘のそれとを加えたものに一致していた。緑色螢光は紫外線照射によって著名に減弱した。緑色螢光は80℃, 3時間のFAG処理後に最も強く認められた。レセルピンの投与によって緑色螢光は有意に減弱した。一部の節細胞はクロム親和反応に弱陽性であった。以上から, ウシ蛙のSG細胞はカテコラミンを含有していると考えられる。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
-
小島 秀樹
筑水会・神経情報研
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安楽 茂己
久留米大・医・脳研
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小島 秀樹
久留米大・医・脳研
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吉田 真美
藤田学園大・医・二解
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吉田 真美
久留米大・医・薬理
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戸島 信夫
久留米大・医・精神々経科
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小鳥 居建
久留米大・医・精神々経科
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