77. Paradoxical Concanavalin A Staining : 胃粘液組織化学への応用

概要

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Paradoxical Concanavalin A Staining (PCS)を用いることによって人の胃被覆上皮の粘液は、II型に、また副細飽、噴門腺および幽門腺の粘液はIII型に、ぞれぞれ区別することが可能になる。そこで、産生する粘液のタイプに基づいて胃癌を分類し得る可能性を追求するために、まず印環細胞の増殖を伴う未分化型腺癌18例をPCS法および既存の方法で染色し、観察した。その結果18例中10例にIII型粘液を産生する癌細胞の増殖が認められたが、各症例によって, III型粘液産生細胞の全腫瘍細胞に対する割合は著しく異っていた。また、興味深いことに、それぞれに異った粘液を含む癌細胞が層状構造を成して配例する像がしばしばみられた。HID染色では8例に、様々な程度のスルフォムチンの産生がみられたが、2例を除いてIII型粘液陰性の症例であった。一方、ラットおよび人の胃におけるIII型粘液の分布が全く同様であったので、各種哨乳類を始めとして、広い範囲の動物消化管を検索したところ、副細胞は常にIII型粘液を含むことが明らかになった。
日本組織細胞化学会の論文
1977-10-20